※一部を除き、画像は東京ヴェルディ公式サイトのユニフォーム特設ページをスクリーンショットさせていただきました。
皆さんこんにちは、フットボールジャパンの原島です。
先日発表された東京ヴェルディのユニフォームがとても素晴らしいので、今回は独立前も含めて約3,000件のユニフォーム作製対応をしてきた私が、メーカー、販売者側として感じた点、私なりの見解を話したいなと思います。
参考:東京ヴェルディ 2020シーズン ユニフォーム特設ページ
ヴェルディのサポーターさん達を中心に沢山読んでいただいています。ぜひご一読ください。
1メーカーとして、今シーズンのヴェルディのユニフォームがより話題になってほしいなと、私が感じたことをまとめてみました📝
・スポンサーロゴの視認性
・デザイン性仮にここが相反するものとして、前者優先になることが多い中、この事例は本当に素晴らしいものだなと🤔https://t.co/4Bm3CpTeTJ
— 原島 武 / ⚽️の会社経営 (@harashi10) January 25, 2020
スポンサーロゴカラーの統一
これはすでにツイッターで多くの方も触れていらっしゃいますが、今一度、これの何がすごいのかというところについて。
企業や店舗にとってロゴやそれを構成する要素、カラーは、自分たちを表現するシンボルとしてとても重要なもの。
マクドナルドなら赤と黄、スタバなら緑と白(と黒)と、そのロゴのカラーは皆さんもすぐに思い浮かべることができるかと思いますが、ロゴによっては例えば青ならどんな青なのか(PANTONE等で)具体的な色や、使用用途ごとに色規程が決まっていることも多々あります。
私は自社ブランドLEGITで多くのユニフォーム作りを対応していますが、ユニフォーム本体の色味によってはスポンサーロゴがまったく目立たなくなるため、その場合、ロゴにフチ取りをしたり、下地を引いたりすることで視認性を向上・確保します。
デザインは感覚なので正解はないと思っていますが、ロゴにフチ取りや下地を引くのは私個人的には、ユニフォームとしてのデザイン性は落ちると考えています。
特に今回のヴェルディのユニフォームのような総柄のデザインの場合は、下地などを引くことで柄がカットされるので、どうしても不格好になりがちです。
色が持つイメージを日常感じることも多いかと思いますが、例えばマクドナルドのロゴが白地にゴールドだったら、多くの人がちょっと高級な印象を受けるのではないかなと。
それくらいカラー変更はイメージを変える可能性・力があるにも関わらず、それをユニフォームのデザイン性を優先するべく、企業のシンボルであるロゴカラーを、スポンサードしてもらう側のチームの提案・発信、調整で全社が1社も外れることなく足並みを揃えているのは異例と言っていいでしょう。
ゴールドに統一する目的
通常、メーカー、チーム、スポンサー企業の3者間で関係がスポンサー企業優先になることはごく自然で、
スポンサー企業が、ロゴカラーは変えられない、下地を引いて目立たせてほしい。と要望されること、そしてチームがそれを受け、メーカーがそれに合わせてユニフォーム作りをすることも決して間違いではなく、これもまた正解の1つだと思います。
視認性とデザイン性の2つの視点でユニフォームを見た場合、なぜ今回、視認性ではなく、デザイン性を優先されたか、これはツイッターで相互フォローいただいているヴェルディの佐川さんのツイートです。
昨年に続き、パートナー企業様にはユニフォームのロゴカラーを統一頂きました。大切なコーポレートロゴのカラーを変更するという企業にとって本当に難しい意思決定を頂き、心の底から感動しました。デザインが話題になり、沢山の人の手に渡り、従来の広告掲出以上の価値をお返しできるよう頑張ります。 pic.twitter.com/p7fe7Xc1Ao
— 佐川 諒 (@ryowen_11) January 23, 2020
デザインが話題になり、沢山の人の手に渡り、従来の広告掲出以上の価値をお返し
このビジョン、提言は私もメーカーとして本当に参考になりました。目先の視認性ではなく、デザイン起点で多くの人に手に渡り、より多くの広告価値を生み出すという発想。
ヴェルディのような発信力の強いチームがこうしてアクションされたことは大きな影響があるのではないかなと思います。メーカーとしてもデザイン起点のユニフォーム事例が増えてくることを願います。
想定される効果
上述のツイートで”ユニフォームが話題になる、たくさんの人の手に渡り”とあります。
本来、スポーツチームのユニフォームは応援時にサポーターやファンの方が着ることがメインだと思います。
ただ、これだけデザイン性が高いのであれば、スポーツミックススタイルで街着としての着用の他、サッカーやフットサルのエンジョイ層の方のプレーウェアや、ランニング・ジム用のトレーニングウェアとしても成立し、
結果、着用されるシーンがとても増える=波及効果が大きくなるのではないかなと思います。
スポーツチームのユニフォームはデザインによっては普段用としてはちょっと…となることもあるかと思いますが、レプリカユニフォームも決して安くはないので、購入者側としても応援時以外にも活用できるシーンが増えることは喜ばしいことでしょう。
もう1つの調整
今回、私が一連の流れでもう1つすごいと感じたことがあります。ヴェルディの他スポーツチームも同じイメージでユニフォーム作りをしていることです。
おそらくですが、スポーツ毎にユニフォームメーカーが違うはずですから、これまでの話は、メーカー、チーム、スポンサーの調整ですが、これに加えて、メーカー間の調整も加わることになります。
当然、メーカー(ブランド)にも(カラーを含めた)イメージがあるので、場合によってはメーカーが痛みを伴うことだって考えられるわけです。
それにも関わらず足並みが揃えられているのは、チーム(とスタッフさん達)のビジョンや熱意、想いの部分なのかなと思います。
日本代表のユニフォーム
関連したこととして最後にここについてもちょっと触れたいと思います。
ツイッターでは何回か発信していますが、今の日本代表のユニフォームに対して批評が多いのは、カモフラ柄が大きな理由ではないと思っています。
オリンピックというスポーツの祭典にカモフラ柄が相応しくないという意見はわかります。
今回はカモフラ柄という点については置いておいて、他の切り口として色味について、濃いめの青ベースのユニフォームに濃淡逆色の白を入れた(それによってマーキングが赤でまたハッキリしなくなった)ことが、デザイン面で大きなマイナス要因だったと思っています。
青の濃淡調整だけで作られたカモフラ柄に、マーキングが白だったらここまで不人気にはならなかったでしょう。ちょっと青が薄いですが、こんなイメージです。
ヴェルディのユニフォームもアブストラクトパターンという総柄で、カモフラ柄にも近いとも言えますが、グリーン起点の濃淡調整なので、私が見ているかぎりではカッコいいという声の方が多い印象です。
ちなみに弊社事で恐縮ですが、弊社ブランドLEGITでカモフラ柄は1番人気です。
ここ最近のヴェルディのブランディングは外から見ていて本当に参考になります。創設期のヴェルディを子供の頃に見ていた1人のJリーグ、サッカーファンとして、今後のアクションも楽しみに拝見させていただきたいなと思います。
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1メーカーとして、今シーズンのヴェルディのユニフォームがより話題になってほしいなと、私が感じたことをまとめてみました📝
・スポンサーロゴの視認性
・デザイン性仮にここが相反するものとして、前者優先になることが多い中、この事例は本当に素晴らしいものだなと🤔https://t.co/4Bm3CpTeTJ
— 原島 武 / ⚽️の会社経営 (@harashi10) January 25, 2020